評価変更の例

ファンドの評価・継続的なモニタリングにより早期にファンドの品質変化の兆候を発見します。その結果、例えば品質に対する懸念がある場合には、評価情報を提供しているお客さまへの報告、ファンドの品質改善に向け運用者(ポートフォリオ・マネージャー)との懸念点の共有、投資助言比率の引き下げ、等の対応を行います。

事例:早期の問題点把握

評価変更のきっかけ

■運用者へのインタビューにおいて、運用プロセスにおける細かい変更を発見、これまで評価してきた運用プロセスに対する懸念が生じたことから、要注意ファンドとして注視。

対応

■ファンドの運用プロセスに鑑みて、組み入れに疑問のある銘柄への投資が散見され始めたことから、4か月後に再度インタビューを実施。運用者と議論する中で、運用プロセスやスタイルが変化していることを確認。ファンドの品質が劣化していると判断したため、定性評価レーティングの引き下げを行うと同時に、ファンド・オブ・ファンズ(FoFs)において当ファンドの投資助言比率を引き下げ。

事例:ファンドの品質改善

評価変更のきっかけ

■ポートフォリオの内容が特定の戦略に極端に偏りはじめ、リスク配分手法の有効性に懸念が生じたことから、運用者とレビューミーティングを実施。その上でネガティブ・ウォッチを付与。

対応

■運用会社と懸念事項を共有し、改善状況を注視。3ヶ月後に再度レビューミーティングを行い、今後のリスク管理手法の強化方針について確認。その後、その強化方針通りにリスク管理が強化されていることを確認できたため、ネガティブ・ウォッチを解除。

事例:ファンド品質の慎重な見極め

評価変更のきっかけ

■長期にわたり継続的にモニタリングを実施しているクオンツ運用のファンド。リーマンショックによる市場環境の変化に伴い、運用モデルで捉え切れない要素が過去に比べて多くなってきたことから、以前ほど高い投資成果を達成できる可能性が低下したと判断し、定性評価レーティングを引き下げた。

対応

■定性評価レーティングの引き下げを行ったものの、この運用会社では豊富なリソースを活用し積極的にモデル改良に取り組むなど、クオンツ運用としての分析の質・量については依然として他社との比較では秀でていると判断。

■その後、運用モデル開発の中心を担ってきたCIO(チーフ・インベストメント・オフィサー)の退社に伴い、将来的な運用体制の不安定化が懸念されたことから、さらに定性評価レーティングを引き下げたが、他のクオンツ運用と比較して市場対応力は突出しており、競争力は引き続き高いものと判断し、ファンド・オブ・ファンズ(FoFs)における投資助言自体は継続することとした。
その後も継続的にモニタリングやミーティングを実施してきたが、評価引き下げから4年半後の運用者とのレビューミーティングにおいて、体制の安定化とモデル改善の効果が確認できたことから、定性評価レーティングを引き上げるとともに、ファンド・オブ・ファンズ(FoFs)における投資助言比率も引き上げた。投資助言比率を調整しながら継続的に投資助言を行い、当ファンドはファンド・オブ・ファンズ(FoFs)のパフォーマンス向上に大きく貢献。

NFRCが行うファンド評価の特徴